2023年度 陸前高田青年会議所 理事長所信

2023年度 スローガン

やるなら今しかねぇ ~本気の一歩を踏みしめろ~

 

1972年陸前高田の人々は広田湾の開発計画をめぐり推進派と反対派に二分していました。同じ市民であっても派閥が異なれば町で口も利かないという状況でした。しかし、地域の為には若者だけでもひとつの方向を向かなければならないと、青年たちが行動を起こしました。それが陸前高田青年会議所の記念すべき第一歩となりました。陸前高田青年会議所第51代理事長として所信を述べるにあたり、創立から今日に至るまでの50年の歴史を作ってこられた先輩諸兄に対し、心から敬意を表するとともに、深く感謝申し上げます。また、創立当初より、地域の皆様はじめ関係各所の皆様には、これまで当会議所の運動に際し多大なるご支援とご協力を賜りまして、厚く御礼申し上げます。我々は現在を託された青年として、長きに渡って受け継がれてきた地域社会への想いを引継ぎ、今の地域社会に本気で向き合い運動を展開していきます。

 

【はじめに】

現代社会はテクノロジーの急激な進化、災害やパンデミック、そして戦争など、想定外の出来事が次々と起こる時代に突入しました。これまで当たり前だと考えていた事を覆すような大きな変化を突き付けられ、過去の経験からは先を予測することが困難な社会といえます。そんな社会だからこそ、知識やデータだけを頼りにするのではなく、人同士の繋がりを大切にしていくことが求められます。社会を構成する根本は人であり、人の持つ能力は信頼関係によって引き出されます。人それぞれの良さを引き出し合える人間関係こそが基盤とならなくてはなりません。我々は震災を経験し、人と人との繋がりによってこそ、社会は創られるということを知りました。パンデミックを経験し他人を思いやることの大切さを再認識しました。今を生きる我々は何をすべきでしょうか。自らが繋がりとなり自らが地域の明かりとなりましょう。

 

【多様性社会の実現】

人にはそれぞれに個性があり、意見や主張があります。異なる考えであっても、まずお互いを知ることで多様性が認められ、新たな発想を生みだすきっかけとなります。異なる価値観の新たなコラボレーションが生まれることで、新しい変革や仕組みを形成されます。決してなんでもありの社会を目指すのではなく、我々が目指す地域社会は公平でなければなりません。陸前高田市及び住田町ではすでに様々なモデルケースが実在し、取り組みが進んでいます。陸前高田市に於いては2011年の東日本大震災を経て、「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」への取り組みが始まりました。年齢や障がいの有無に関わらず、物心両面において誰もが暮らしやすいまちをつくるという理念のことです。全国的に見ても市を挙げての取り組みは先進的であり、昨年であればLGBTQ+についての啓蒙を目的とする市民団体も発足されました。住田町では、ジェンダーレスに対応するために高校の制服が一新され、規定が無くなりました。既存の枠組みを外すことで生徒の個性を尊重する取り組みは、先進的な事例として注目されています。男女の社会的・文化的な区別をなくすことで多様性を認めています。我々は既に進んでいる多くの取り組みと向き合い、さらに先送りされている取り組みにも目を向けていきます。そして、それらを地域に浸透させる為に運動を展開していきます。我々の目指すべき多様性社会の実現とは、仕組みの導入がゴールではなく、“心の底から分け隔ての無い地域社会を創ることでなければなりません。

 

【少子社会における地域の役割の見直し】

全国的に少子化が進むなか、今後の地域社会においては様々な深刻な影響が及ぼされることが予測されます。未来の地域を想った時に、地域が少子社会と向き合うことこそ優先して取り組むべき課題の一つでなくてはなりません。量から質へと価値が換わっていくなかで、子どもたちの自主創造性は益々重視されていきます。価値観の多様化が尊重される時代だからこそ正解を覚える教育ではなく、子ども自身が問いを立て、自ら学ぶ内容や方法を幅広く選択できるように、地域全体で取り組む必要があります。それらを担うのは地域に生きる我々です。少子社会と向き合い、次世代を創る子ども達を、地域社会全体で大切に育む為に運動を展開していきます。

 

【主権者教育と地域】

2015年に公職選挙法が改正され選挙権は18歳以上に引き下げられ、さらに2022年には18歳が成人として認められるようになりました。高校生までに政治に対しての知識を身に着けるために、総務省と文部科学省は主権者教育を推進し、全国の高校に副教材を配布しています。しかし、政治に対しての知識や能力の定着のためにはまだまだ課題があると言えます。なぜなら制度の移行期においては、現場の定着までにどうしても時間を要するからです。主権者教育をより充実した中身のあるものにするには、保護者を含む地域全体がその重要性を理解し、地域社会全体が連携して取り組むことが肝要です。これまでこの地域においても政治に対し中立の立場で公開討論会などを担ってきた青年会議所だからこそ、中心となって進めてくことが出来ます。地域を自分事として捉えることができる次世代の担い手を増やしていく為に運動を展開していきます。

 

【地域資源を育てる】

地域活性化の為には、地域資源の見直しと有効的に活用することが不可欠です。陸前高田市及び住田町は豊かな環境に恵まれています。この地域の自然、歴史、伝統、文化などは外から見ると貴重な地域資源であると言えます。しかし、この環境に慣れ親しんできた我々は、普段の暮らしの中ではそれらが地域資源であると気づいていないことが少なくありません。当たり前と感じるものを新たな視点で見ることが大切です。循環型社会の実現に向け世界が足並みを揃えるいま、大量生産の時代は終わり、量より質を求める方向へと転換期を迎えています。これを追い風に、地域を資源として捉え、その特性を活かして、質的に大きな魅力を生み出す意識改革が必要です。たとえ、ありふれた資源だとしても、活用の仕方によって、その秘めたるポテンシャルを引き出すことができます。地域住民が資源を育てる機運を醸成することで、新たな価値を創出する為の運動を展開していきます。我々の取り組みが必ず地域の発展に繋がります。

 

【一人ひとりの繋がりが紡ぐ仲間】

青年会議所には多種多様な青年経済人が集います。皆が職場でも中心になる忙しい人ばかりで、決して暇な人はいません。今も昔も、数少ない自分の時間を分け合う集合体が青年会議所です。表には出さなくても地域を思い、地域の為に何か行動をしようと集まります。そして、地域により良い変化をもたらすためにどうすれば地域社会に共感してもらえるのかを、価値観の違う仲間達と考え抜きます。そんな仲間が一人でも多いほど、組織の力になります。組織の力は地域の希望となっていくのです。青年会議所では理念共感型の拡大活動が推奨されています。我々の活動に共感することで、入会に繋がることは本意であり理想です。しかし、そこにだけこだわるべきではありません。最初は深い共感を得られなくとも、活動に参加し、メンバーと一緒に過ごすなかで、理念が少しずつ浸透していく場面をたくさん見てきました。我々の活動の全てに学びはあります。何を見てどう考えるかはそれぞれ違って良いのです。地域を思う青年が寄り添うこと自体が尊く貴重なことであり、可能性の塊です。その可能性は全ての青年にあります。我々一人ひとりの繋がりを大切にし、地域を想う青年を繋いでいきます。

 

【結びに】

我々の活動は本気で向き合うからこそ価値があります。そのためには本気で楽しむ覚悟が必要です。誰かのせいにしている暇はありません。我々が立っているのは誰もが予測困難な時代の節目です。我々の行動でこの地域の未来は大きく左右されます。自らが当事者として行動していきましょう。青年会議所には岩手県、日本、そして世界に本気の覚悟を持った仲間がいます。迷ったときには互いに手を差し伸べ合うことができます。我々が立ち向かうのは、過去でも未来でもなく現在です。今やらなければ明日はありません。我々が50年の歴史から受け継いでいかなければならないのは、今と向き合い一人ひとりが実際に行動していくことです。誰かに与えられた道を歩むのではなく、我々が先陣を切ってこの地域社会の道を切り拓かなければなりません。成功や失敗といった結果論に捉われるのではなく、地域の為に我々が正しいと思う行動をしていきましょう。2023年度、万が一大失敗しても陸前高田青年会議所はビクともしません。50年の歴史を創ってきた先輩達の信用はそんなやわではありません。51年目、本気で踏みしめていきましょう。

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新着情報

・2021/01/16

・2020/09/01 「すみたかふるさと検定」を開始しました。(~9/20まで)
・2020/03/01   ホームページを更新しました。

・2019/02/01 情報公開ページを更新しました。
・2019/01/10 ホームページを更新しました。

・2018/03/01 事業報告ページを更新しました。

・2018/02/28 陸前高田JCの紹介ページを更新しました。

・2018/02/28   ホームページを更新しました。

・2018/02/28 メンバー紹介ページを更新しました。

・2017/02/27 メンバー紹介ページを公開しました。

・2017/01/30 情報公開ページを更新しました

・2017/01/30 陸前高田JCの紹介ページを更新しました

・2017/01/30 ホームページを更新しました

・2017/01/10 事業報告ページを更新しました

スケジュール

第51代理事長

熊谷 晃生

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