2024年度 スローガン
他ならぬ、あなたのために
【はじめに】
2011 年東日本大震災で私は、生まれ育った地域の惨状とその日まで一緒に暮らした家族 や友人、地域の人たちが突然いなくなる現実から逃れるために陸前高田から離れました。 それでも引っ越した先で常に考えていたことは、「いつか生まれ育った故郷に帰り地元に 貢献したい」という想いでした。 転居先の仕事や生活にも慣れ家族ができ、少しゆとりが生まれたころ陸前高田に戻りた いという強い気持ちがわいてきました。私の中で消えることなかった地元への愛着心にあ らためて気づき、震災から 10 年目の 2021 年に陸前高田に帰ってきました。 陸前高田で起業するにあたり、仕事を行う上で一から取引先を見つけていかなければな らないと考えました。そのような中でどのようにつながりを広げていけばよいのかと考え たとき、青年会議所の存在を知り、入会しました。 入会してから青年会議所を通じて事業を展開している先輩たちの姿をみるとそこには年 齢、性別、職業の枠を超えて誰もが地域を想って行動していることに心が動かされ、私もこ の青年会議所で地域が少しでも良くなるように行動していきたいと思いました。 青年会議所は自己成⾧と地域の発展を本気で願い行動するメンバーが集まっており、こ のメンバーと共に 1 年間全力で走りぬいてまいります。
【自立した地域の確立】
私たちの住み暮らす陸前高田市と住田町は、現在も人口減少や人口構造の変化に歯止め がかからない状況が続いており、人口の減少は消費活動の低迷につながり、地域経済は疲弊 してきます。この地域で将来、結婚をして子どもを産み、育て、そして若者たちが地域に定 着するためには、働く場を増やし、稼ぐ力を強めていく必要があります。 陸前高田市と住田町には魅力ある地域資源として農林水産物が特産品として挙げられま すが、一次産業従事者は高齢化や担い手不足により減少し続けています。地域の魅力である 農林水産物の地元消費を推進することにより地域内でのお金が循環し、生産者の雇用が生 まれていきます。そして地域に認知された地域資源はブランディングされることにより、地 域外からさらなる外貨の獲得へとつながっていきます。 地域で消費するエネルギーや食べ物、お金や雇用など、地域にとって必要不可欠なものは 少しずつでも地域で生み出していくという「地消地産」を多くの方々に理解していただくこ とで、循環型の地域社会を根付かせ、そこから質的に高い価値を追求していくことを地域内 経済循環の仕組みとして、持続的で自立した地域の創造を目指します。
【自己を守る防災】
陸前高田市においては東日本大震災と津波の被害により多くの尊い命が失われました。 自然災害はいつ、どこで発生するか分かりません。 震災から 13 年が経過し、防潮堤などのハード面での対策は終わり、これからはソフト面 での対策として震災を風化させない取り組みが大切になってきます。 地域では防災に取り組むさまざまな団体や個人があり、陸前高田市では防災マイスター 制度の取り組みも進んでおります。 陸前高田市が掲げる「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」の実現に 向けて、青年会議所が、多様な視点から防災に取り組む各団体や個人と協働することにより、 地域に暮らす一人一人が災害のリスクと向き合い、防災を自分ごととして捉え、主体的に災 害に備える契機づくりとなる取り組みをする必要があります。 自分の命を守りながら大切な人の命を守るためにも日頃からできることを確認し、いざ という時に備えて行動することの大切さを伝えてきましょう。
【地域の他団体との連携による相乗効果】
陸前高田市と住田町の地域内において、自分たちのまちのために活動している団体が数 多く存在しています。 青年会議所が社会課題を解決する上で、これらの団体との連携を図ることで相乗効果を 生み出し、それぞれの事業効果を高めることや刺激を受け合うことができます。 また、協働することにより青年会議所が行う事業の社会的意義を効果的に発信し、陸前高 田青年会議所のブランドを確立するとともに行政や市民の皆様への影響力を高めてまいり ます。
【未来へ向けた青少年の育成】
社会構造が複雑化した現代においては、課題や問題点となっていることを探し、課題を解 決するための方法を選び、そして価値のある新しいものを生み出していく「考える力」を養 うことが必要になってきます。 考える力を醸成するには、興味関心が重要なポイントになります。これは地域学習で地域 課題を自分のこととして捉えて考えたり、将来どのような仕事をやってみたいかを考える ときに影響しています。 地域の未来を担う青少年に地域の現状を知ってもらい、どのように解決すべきかを一緒 に考えることや、将来どのようになりたいのか、働くイメージや仕事のイメージをつかむこ とにより、興味関心を高める必要があります。 地域に触れ、仕事に触れた青少年たちは将来を自ら考え、地域への愛着が地域への定着へ とつながるきっかけになっていきます。
【組織の継続】
青年会議所の使命は、青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成⾧の機会を 提供することにあります。ただし、機会を提供できる期間には限りがあり、40 歳で卒業し ていく組織であるため、将来に渡り青年会議所が持続的に運動を展開していくためには、継 続的な会員拡大が常に必要不可欠です。そして、青年会議所の運動がより効果的に波及して いくためにも同じ志をもったメンバーを一人でも多く集める必要があります。 そのためには、会員一人一人が陸前高田青年会議所に誇りをもって活動、運動を行い、地 域を担う人財やステークホルダーに対して我々の想いを伝播させることにより、会員拡大 に繋げていくことができます。職業や性別にとらわれず、まちを想う人同士がつながること のできる会員拡大、そして、メンバーの特徴や個性が輝く組織づくりを実践してまいります。
【結びに】
いつの時代も地域を構成する重要なものは人であると考えます。人の成⾧が地域の発展 には欠かせません。成⾧には失敗もつきものですが、私は青年会議所に入会し、先輩から青 年会議所は失敗ができるところだと教わりました。 成功の反対は失敗ではありません。成功の反対は挑戦しなかったことです。さまざまな成
⾧の機会がある青年会議所を土台に、失敗を恐れず挑戦していきましょう。その行動が成⾧ へとつながっていきます。 地域の課題に一人で立ち向かう必要はありません。我々青年会議所には多くの仲間が岩 手県、全国、そして世界にいます。身近なところでは、OB 先輩たちも見守ってくれていま す。51 年にわたる想いをつないできた青年会議所はあなたを支え、あなたの成⾧の機会を 提供する土台があります。
本年度のスローガンは「他ならぬ、あなたのために」として掲げます。あなたとは陸前高 田青年会議所のメンバーであり、運動を展開する先に存在する他者としてのあなたという 意味があります。どこかの誰かではなく、あなたのことを想い、行動していきましょう。 我々が運動を展開していくにあたり、一人ひとりが地域を想い行動することで多くの人
とつながっていきます。このつながりの連鎖を拡大させ、陸前高田青年会議所が地域になく てはならない団体になり、明るい豊かな社会の実現に向けて運動を推進していきましょう。
・2021/01/16
・2020/09/01 「すみたかふるさと検定」を開始しました。(~9/20まで)
・2020/03/01 ホームページを更新しました。
・2019/02/01 情報公開ページを更新しました。
・2019/01/10 ホームページを更新しました。
・2018/03/01 事業報告ページを更新しました。
・2018/02/28 陸前高田JCの紹介ページを更新しました。
・2018/02/28 ホームページを更新しました。
・2018/02/28 メンバー紹介ページを更新しました。
・2017/02/27 メンバー紹介ページを公開しました。
・2017/01/30 情報公開ページを更新しました
・2017/01/30 陸前高田JCの紹介ページを更新しました
・2017/01/30 ホームページを更新しました
・2017/01/10 事業報告ページを更新しました
第52代理事長
菅野 龍介